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Acetaminophen’s diary

化学に関すること,TeXに関すること,ゆきだるまに関すること。

PDF を扱うツールいろいろ(2)

今回は PDF の編集を行うツールの紹介。前回は PDF の閲覧と作成だったので GUI ツールを紹介する方針で書いたが、今回は編集(特にファイルの結合・分割・順序変更・回転・抽出・削除、文書のプロパティの編集、パスワードの設定)なので GUI がそれほど重要ではなくなる。というわけで、特に区別せずいろいろと紹介してみる。とりわけすぐれている点については太字で強調する。

 

PDF 編集

かつては Windows で PDF をプレビューしながら GUI 操作での結合・並べ替え・回転などが可能な PDForsell (Windows) がとりわけ有名だったが、現在は ver.3.0 へのバージョンアップに伴ってシェアウェアになっている。また、Mac の場合は標準のプレビューで同じく GUI 操作で結合・並べ替え・回転などができる。そのほかの選択肢として考えられるものを挙げてみる。

pdf_as

以下の操作を GUI で行える Windows 用フリーウェア。

  • 複数ファイルの結合
  • 全ページの1ページごとの分割(=バースト)
  • 全ページの回転(個別は不可)
  • 指定したページの抽出・削除
  • 文書のプロパティ編集
  • パスワード設定
  • 余白の変更
  • しおりの作成・抽出(XML 形式でインポート・エクスポート)
  • ヘッダー・フッターの追加

ファイルのプレビュー機能をもたないが、その分軽快に動作する。分割(バースト)と回転は、全ページに適応することしかできないが、代わりに一度に複数ファイルに対して実行できる。しおりを XML 形式で扱えるのは素晴らしいし、ヘッダー・フッター機能はページ番号を後から入力する場合に重宝する。ただ

  • 一度に1つの操作しかできない*1
  • 編集前のファイル名に【元ファイル】という接頭辞を付けて勝手に名称を変更する*2

という点が残念。

PDF Split and Merge basic

PDF ファイルの結合・分割・回転に特化した、Java ベースでクロスプラットフォームのフリーウェア。GUI で操作する。独立した6種類のプラグインを切り替えることで利用する機能を切り替える仕組み。

  • 複数ファイルの結合
  • ファイルの分割(バーストを含む)
  • ページの並べ替え
  • サムネイル表示による直感的操作で任意のページを回転・並べ替え

分割のオプションが豊富で、任意のページごとの分割や指定したページ前後での2分割、しおりごとの分割も可能。奇数または偶数ページのみを回転したり、2つのファイルのページを自動で交互に重ねて結合したりと、 電子書籍の自炊などに便利な機能もある。サムネイル表示によるプレビューの動作が重いが、それ以外は比較的軽快に動作する。

pdftk

コマンドラインで操作する、クロスプラットフォームの PDF 編集ツール。例えば以下の操作が可能である。

  • 複数ファイルの結合
  • ファイルの分割
  • ページの並べ替え
  • ページの回転
  • パスワード設定
  • 透かしの挿入
  • しおりや文書のプロパティなどメタデータの追加や抽出

ページを指定して PDF ファイルを自由自在に編集でき、非常に軽快に動作する。オープンソースで、CUI 操作のためバッチ処理にも便利である。しかも以前紹介した際に触れたが、これらのどの操作を行っても PDF に埋め込んだマルチメディアを破壊しないという点も素晴らしい。

 

他にも選択肢はあるが、とりわけ上の3つは操作性・機能の豊富さ・軽快さにおいて優れているという印象だ。1つのソフトウェアで Adobe Acrobat のすべての機能を満たせるわけではなく、逆に Adobe Acrobat にはない機能が付加されているものもある。必要に応じて使い分けるのが最善だろう。

*1:例えば「回転してかつパスワードを付けたい」という場合に、回転操作だけで一旦保存されてしまうので再度開いてパスワードを付けなければならない。

*2:つまり、pdf_as にプレビュー機能が無いからと言って Adobe Reader で中身を見ながら…という風に操作すると、pdf_as で保存する際にもし Adobe を終了し忘れたら前述のとおりロック機能により変更に失敗する。編集後のファイル名に【編集後】と付ける仕様であればいいのだが。