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Acetaminophen’s diary

化学に関すること、TeXに関すること、ゆきだるまに関すること。

化学系でコンピュータを上手に使う

化学 生物 ソフト マルチメディア

ケムステ記事のご案内

ケムステに最近 3 本の記事を投稿した。

分子の 3D モデルを Jmol で観察し、それを PDF に埋め込むという手段を、化学系の読者に伝えることが目的*1。僕が以前書いた本ブログの記事と比べてあまり目新しさが無いかもしれないが、アプローチは異なる。

  • 僕のブログ:フリーで使えるツールだけを使い、なるべく OS に依存しない方法を追求する
  • ケムステ記事:できるだけ簡単な方法を紹介(余裕がある読者向けには進んだ方法を示唆)

というわけで、おそらく標準であろう有償の Adobe Acrobat を使う方法も、ケムステでは紹介した。

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もうひとつ、非常に画期的な取り組みを行っている本を発見したので、それも紹介できた。

フリーソフトで作る バーチャルスライドと3Dモデルの作成法

フリーソフトで作る バーチャルスライドと3Dモデルの作成法

 

非常に野心的な本で、フリーソフトだけを使って「バーチャル顕微鏡」や「3D モデルの作成」を試みた筆者による現実的な手段が解説されている。これを見つけたのはつい先月で、出版されたのは昨年 9 月。3D モデルについて Bentley View V8i を使う Windows 専用の方法しか挙げられていないとはいえ、全体をとおして実用のうえでの問題点が非常に詳細に検討されていて、大いに参考になるだろう。

個人的には、フリーのツールである LaTeX を使う方法(しかも説明文と一緒に PDF 化できる唯一の手段)がまったく触れられていないのが少し気になる*2化学系や生物系でコンピュータを上手に活用するという試みは、まだまだ十分とは言えないので、僕ももっと頑張らなければならないなあ。

早速、同じ著者による書籍で、3D モデルをサポートページで配布している。

図解 分子細胞生物学

図解 分子細胞生物学

 

ケムステへの投稿をきっかけに、化学系でもこんなふうに活用されるようになれば…

 

最近の動向:JavaScript の台頭

ケムステ記事の末尾でも触れたが、最近は JavaScript でいろいろとやってみようという取り組みがなされていて、こちらも興味深い。HTML5 が標準となりつつある潮流とも合致しているので、こちらも注目。

以前私が開発した chemobabel.sty という LaTeX に化学構造式を埋め込むパッケージ作成にあたって参考にした Open Babel の主要な開発者の方のブログでは、最近 JavaScript を用いた「ブラウザで使える化学ツール」の試みがおもしろい。

これからは 3D-PDF の時代というよりは JavaScript の時代だろうと思うが、いろいろな方法を知っておくことは有用だろうと思う。

追記:2015-03-27 さらに最新情報を追加:こちらも参照。

*1:僕のこのブログはどうやら TeX の話題が多すぎるので、化学系の読者を誘導するには今のところこうするしかない…

*2:本書よりは僕のほうが 3D モデルに関しては十分に検討できたのではないだろうか?