Acetaminophen’s diary

化学に関すること,TeXに関すること,ゆきだるまに関すること。

動きのカガク展に行ってきた

最近、メインブログの更新をサボっていたので、久々にこちらに書いてみることに(サブブログは毎日更新していたし、最近なぜかそっちが内容的に充実していたけど…)。

昨日、再び 21_21 DESIGN SIGHT へ。以前記事にした単位展に続き2回目である。

企画展「動きのカガク展」
会期:2015年6月19日(金)- 9月27日(日)
休館日:火曜日(9月22日は開館)
開館時間:10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財
後援:文化庁経済産業省、港区教育委員会スイス大使館ドイツ連邦共和国大使館
助成:スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財
特別協賛:三井不動産株式会社

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展覧会ディレクターは菱川勢一氏 (Twitter) 。NHK 大河ドラマ功名が辻」のオープニング映像、「八重の桜」のタイトルバック映像、NHK スペシャルドラマ「坂の上の雲」エンディングタイトルバックなどでも知られる。ああ、見た見た!

今回の「動きのカガク展」では、車両制御システムや地図アプリケーションなどの技術をささえるモーション・デザインがテーマ。

「動きのカガク展」は、「動き」がもたらす表現力に触れ、観察し、その構造を理解し体験することで、ものづくりの楽しさを感じ、科学技術の発展とデザインの関係を改めて考える展覧会です。

ということで、動く作品が多数展示されていた。単位展に続き撮影自由(フラッシュ撮影除く)だったので、まずは写真をいくつか紹介。

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こちらは「統治の丘」。真ん中のステージに人が立つち、まわりの円錐たちが反応して人が差した方向を一斉に指し示す。それを繰り返すうちに、だんだん円錐たちが言うことを聞かなくなっていく。なんだか生き物みたい。

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回転するオブジェクトを、細いスリットが空いた「まわる虫眼鏡」で見ると… これは見てのお楽しみ。上の方を眺めても下の方を眺めても楽しい。

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発泡スチロール球がいっぱい浮いてる(笑)この隣にはもっと大きな球も浮いていた。原理は例えばこちら

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ビニール袋も、空気を入れたり出したりすると、まるで呼吸しているかのよう。人工物を生物のようにみせるという発想が新しい。

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個人的にいちばん気に入ったのがこれ。暗い部屋でレールに沿って照明を載せた汽車(?)が走ると、周りに静置された物体にあたって刻一刻と壁に映る影の形が変わる。置かれている物体は小さいし暗闇の中なので見えづらいのだが、投影された影は大きく、変化がおもしろい。この展示は入ってすぐのあたりにあるのだが、ここで相当長居してしまった。

…と、今回も非常に楽しい展示だった。前回の単位展にも今回の動きのカガク展にも共通していえるのが、体験型の展示の多さ。撮影自由でありながら、行かなければ楽しめない良さ・新たな発見があって行きたくなる場所、それが 21_21 DESIGN SIGHT である。理系の人間としても、こうした芸術とテクノロジーの融合という試みは発見が多く、多くの人に見て触れて楽しんでもらえるきっかけとして嬉しい。動きのカガク展で使われている技術もモーション・デザインの最先端で、ヒトやモノの動きを観察して表現する知的な試みがたくさん詰まっている。ぜひ、まだ行っていない方は夏休みや今度の連休にでも体験してほしい(サブブログにも少しだけ写真あり)。