Acetaminophen’s diary

化学に関すること,TeXに関すること,ゆきだるまに関すること。

3D プリンターデビュー!

実は先日、研究室に 3D プリンターがやってきた。

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こちらがその CubePro だ。箱の中の右側に見える丸いものが樹脂のカートリッジ。

 

試作品を付属ソフトで…

早速、CubePro に付属のソフトウェアで適当に円柱らしきものを描画し、試作品のつもりで印刷してみた(紆余曲折あったがなんとかできた最初の作品)。

プリンターはまず初めに接着剤を台に塗ったあと、土台となる sidewalk を作成する。その上に、指定された模型を作っていく。

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写真に示したとおり、少しずつ樹脂を積層していく。待つこと約15分。できた!

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あとはお湯をかけながら台から模型を引きはがす。後でわかったが、はがしやすくするためには接着剤の量がコツらしく、このときは結構苦労した。

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付属のサンプルデータから

サンプル 3D データが入っていたので、とりあえずカップのようなものを Fine(精密)モードで作ってみた(USB メモリはスケールのつもり)。

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かなり緻密なモデルも作れそうだ。

 

一般的な 3D モデルから

CubePro は、独自の .cubepro ファイルを印刷する。他の形式からの変換には、専用ソフト(本体を購入するとライセンスが取得できる仕組み)を使用する。ただし .stl しかインポートできないので、なんらかの 3D モデルを他のソフトウェアで出力する場合は .stl にしなければならない。

試しに Shade という高機能な商用ソフトウェアで簡単なモデルを作成し(研究室に Shade を使える博士研究員がいて頼もしい!)、.stl ファイルを作成した。これを CubePro 専用ソフトウェアで開いてみたのが下の画面。穴を貫通させてみたが、ちゃんとできるのだろうか?

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早速印刷。

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ちゃんと穴ができた!

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作品集

今までに作った簡単なモデルたち。

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左に見える針金状のものが原料の ABS 樹脂(カートリッジに巻き付いている)。樹脂は案外硬く、かつ曲げてもなかなか折れない。

 

ほかのソフトウェア

この .stl ファイルを出力可能なオープンソースのソフトウェアとしては、以前紹介した MeshLab がある。他にもタンパク質の分子モデルを表示できる Chimera なら、PDB ファイルから高品質な .stl ファイルを出力できる*1。このあたりを使えば好きなモデルを作れそうだが、なにしろ複雑なものは時間がかかるらしい(まる1日とか)ので、工夫は必要そうだ。

なお、最近話題の地理院地図 3D も .stl ファイルをダウンロード可能である。これを使えば、地形図を 3D プリンターで模型にすることができるはず!

*1:正確には、Chimera は .x3d ファイルを出力する。これを Chimera が内蔵しているコンバータで .wrl, .stl といった他の形式に変換しているのである。