Acetaminophen’s diary

化学に関すること,TeXに関すること,ゆきだるまに関すること。

PDF を扱うツールいろいろ(1)

自分が PDF を作ったり見たり編集したりする際に、どんなツールを使っているかを片っ端から紹介してみようという企画。主に「フリー」のツールを紹介する。今回は PDF ファイルの作成と閲覧GUI で行うツールの紹介。

 

PDF ビューア

Adobe Reader

定番の PDF ビューア。編集機能は注釈程度であり、タブ形式ではないので使いやすいとは言えない。しかし、本ブログでたびたび登場する「マルチメディア埋め込み PDF を完全に表示できる唯一のビューアである! 繰り返しになるが、まとめ記事およびそこからたどれる記事を参照。

Foxit J-Reader

タブ形式で表示する Windows 用 PDF ビューア。PDF に注釈やテキストを挿入する程度にとどまらず、しおりを作成したり、ムービーや画像・音声などのマルチメディアを添付したりできる(以前の記事参照)。登録が必要だが、非常に高機能なので使ってみる価値あり。

PDF-XChange Viewer

こちらもタブ形式の Windows 用 PDF ビューア。フリーウェア版では機能の制限が鬱陶しい(商用版の機能を使用すると自動でロゴマークが追加されてしまう)が、フリーウェア版でも優れているのが OCR 機能である。また、PDF ファイルのページを画像としてエクスポートできることも意外と便利。

SumatraPDF

PDF 閲覧に特化した、シンプルで動作も軽快な Windows 用のビューア。他に ePub や DjVu、XPS などのビューアとしても機能する。TeX Wiki でも紹介されているが、閲覧中の PDF ファイルをロックせず、ファイルが更新されたら自動で検知して表示を更新するという優れもの*1TeX から出力した PDF をプレビューするときに便利である。

プレビュー (OS X)

OS X 標準のビューア。PDF 以外のファイル形式にも多数対応していて相互変換でいるうえ、PDF のページを並べ替えたり結合したりする機能が OS に標準で搭載されているのは素晴らしい。

 

PDF の作成

CubePDF

Windows で仮想プリンタとして動作する PDF への変換フリーウェア。OS X のほうは標準で「プリント」から PDF として保存できるが、Windows で同じようなことができるようにするならこれ。通常の印刷と同様の操作で、さまざまな文書・Web ページ等を PDF 化できる。

Foxit J-Reader

先ほどビューアとして取り上げたが、こちらも通常の印刷と同様の操作、あるいはアイコンのコンテキストメニュードラッグアンドドロップによる PDF 変換が可能である。

Bentley View V8i*2

Universal 3D (U3D) 形式の 3D モデルの表示ソフトだが、仮想プリンタとしてはたらく「Print to PDF」機能を使えば、3D モデルを埋め込んだ PDF に変換できる(以前の記事を参照)。

Google Chrome

OS X の標準機能と同じような機能が Chrome にも存在して、Web サイトを直接 PDF として保存できる機能がある。

おまけ:Wikipedia

Wikipedia のメニューバー(英語版なら左端)の Print/export に「Download as PDF」という項目がある。この機能は、ブラウザで表示している Wikipedia の解説を XeLaTeX でレンダリングし、印刷に適した体裁に整えてくれる(もちろんリンクも正しく機能する)。以前ツイートしたらやけに RT やお気に入りが多くてビビったやつ。

Wikipedia は不特定多数の人が編集しているが、マークアップの一種である Wiki 記法に従っているので TeX ソースへの変換はそれほど難しくはないはずで、特に XeLaTeX はさまざまな言語をそのまま扱えるので適している。PDF 形式でダウンロードする場合は、知らず知らずのうちに TeX にお世話になっているわけだ。ただし、日本語版は未対応なのが残念。なぜだろう…

追記:2015-03-27 Wikipedia の日本語版がいつのまにか PDF ダウンロード可能になっていることに気づいた。こちらの記事も参照。

 

次回は PDF の編集ツールを取り上げる。

*1:他の PDF ビューアでは、PDF ファイルを開いたままでは他からの変更ができないようにロックしてしまう。

*2:ここに並ぶのはおかしいかもしれないが、PDF を作成する GUI ツールなので…