Acetaminophen’s diary

化学に関すること,TeXに関すること,ゆきだるまに関すること。

ブログを始めてから考えていること

さて、ダイアリーの方でもすでに振り返ってみたが、ブログを始めて3か月。普段の本業の生活はそれほど変わらないが、プライベートの時間についてはずいぶん取り組んでいる内容が変わってきた気がする。

そこで、最近僕がこのブログを更新しながら考えていることや、そもそもこのブログを始めた目的などを、つらつらと書いておく。書き始める前に、目標に一歩近づくという点で、僕なりに初めて満足のいく記事をまとめられた気がしたので、もう一度貼っておく。


「ヒカリ展」に行ってきた(1) - Acetaminophen’s diary

 

いい機会なので、既にいくつかは「TeX ユーザの集い」の懇親会の際にお答えしたが、気になっている方がいそうな質問に対する答えも書いておく。

Q: なぜ「アセトアミノフェン」なの?

A: 一番の理由は「あ」かつ「A」から始まるから*1ペンネームは化合物名にしようと思い立ち、「あ」で始まるもので思いついた中から選んだのが「アセトアミノフェン」。重大な副作用が少ない医薬品とされているので、悪い印象は与えないだろうという考えからである。なお、その際にケムステスタッフのペンネームに重複しないこと、かつ他のペンネームとしても(少なくとも日本国内では)見当たらないことを大雑把に確認したつもり。

Q: このブログの目的・目標は?/なぜケムステスタッフに?

A: 本記事で断トツでいちばん重要なことである。ただ、すでにヒントになるようなことは何度も出しているつもり*2で、ここではもっと直接的に、かつ深く踏み込んでおく。

僕のブログではいまのところ TeX に関連した話題が多いが、本来やりたかったのは 「ヒカリ展」に行ってきた でやったようなことである。具体的には「TeXツールとして活用しながら化学を伝える」かつ「化学の話の節々に TeX の話題を盛り込む」というようなことである。より広くとらえれば

さまざまな分野の人に目的を問わず気楽に訪れてもらう
同時に、他の分野にも目を向けてもらう機会を増やす

ことである。

例えば 「ニュース」カテゴリーの記事 では、同一ページの中に全く無関係な分野の話題をわざと詰め込んでいる。つまり、他では絶対に交わることのないような情報を混ぜて記事にすることで、専門外のことも自然と目に入るような工夫を試みているつもりだ。これは極端だが、もう少しうまいかたちで実現しようとしているのが「実体験」と「背景知識」の統合であり、この手の記事はまとめている自分にとっても勉強になる。

このスタイルはケムステでも貫くつもりで、現に

の記事では、全ての化学系の人に TeX を勧めることはせず、あくまで「ツールの一つとして知ってもらうこと」を目的にしている。今後は化学にどっぷり浸った記事を投稿しつつ、特に明示せずとも必要に応じて TeX その他のツールを活用しようと考えている。

まだまだ試行錯誤の段階ではあるが、最終目標としては上に掲げたようなことを考えている。応援していただけると嬉しい!

ちなみに、僕の大学の友人が主宰している化学屋という「化学物質の美しさをアクセサリーで伝える」をコンセプトにした店がある。ちゃっかり TeX ユーザの集いの発表資料 の付録(発表後、資料 Web 公開時に追加した部分)で紹介させてもらっていて、美しいと捉える対象の方向性が僕とは若干異なるが、その Concept ページに書いてあることは非常に共感できる。手段は異なっても「化学」を愛し、広く伝えようとしている点で心強い。

 

さて、以下は技術的なこと。

Q: Adobe Reader のようなビューアを使ってプレゼンするとき、発表者用ツールを画面で見ながらスクリーンに資料を映すことはできないか?

A. TeX ユーザの集いの後に、奥村先生や寺田さんに「pdftk が便利ですよ」という話をしたら喜んでいただけた。そのあと奥村先生から、発表者用とスクリーン用を別々に扱えるビューアはないかという趣旨の質問をいただいた。実はこれ、僕も同じようなことを以前から考えていて、未だに見当たらない。

確かに PDF ビューアはプレゼン用設計にはなっていないが、全画面表示すれば実質的にプレゼンに十分活用できる。ということは、何か方策があってもいい気がするので、もしご存知の方があればコメント欄へ。

Q: 3D モデルはどの程度の複雑なものまで扱える?

すでに以前の記事にも書いたが、原理上は PDF ファイルに任意の U3D ファイルを埋め込むことができる。ただし Adobe 製品が実際にそれをレンダリングして表示する過程を考慮すると、表示可能かどうかについては、マシンの性能にも依存するため一概には言えない。

Q: なぜ obsolete な movie15 パッケージを使用しているのか?

A: これについては昨日書いた。結論だけいうと、記事を書いたときから発表までの間に

media9 を platex + dvipdfmx で通す術が分からなかった

からである。それでも TeX ユーザの集いの場で発表したのはお分かりのとおり「化学」の話をしたかったからで、そのためもあって技術的な話より化学の話を楽しんでもらうことに重点を置いたわけである。

 

だいたいこんなところかな… なにかツッコみたいところがあれば遠慮なくコメント欄へ。ちなみにこの「はてなブログ」のコメント欄は僕が承認するまで非公開、「はてなダイアリー」のコメント欄は公開に設定してある。

*1:本名はひらがなでもアルファベットでも最後の方なので、ペンネームくらい最初にしようと思った(笑) 現に、TeX Forum のアカウント名でも一覧の中で上の方に表示してくれた。

*2:例えば 本記事の冒頭で挙げた記事ケムステに投稿した記事、ひいては TeX ユーザの集いの発表資料 の末尾に付け足した内容)が参考になるはずである。