TeXにフォントを追加した件(その1)
前提:僕の TeX 環境
ここで、僕の TeX 環境について。
OS は Windows 7 (64bit) で、W32TeX をインストールして使っている。最近は Cygwin に TeX Live をインストールしてみたので、こちらもたまに使っている。
3年ほど W32TeX を使ってきたが、2年前(2012年11月)から更新を怠っていたので、久しぶりに W32TeX を更新することにした。
W32TeX の更新
やはり今回も一番簡単な「TeXインストーラ 3」をダウンロードした。この「TeXインストーラ3」は、既に W32TeX がインストールされている場合に、必要な更新を適切に行う仕様になっているので、非常に便利だ。
いざ実行!…しようと思ったが、このときある情報を発見。なんと、W32TeX に大きな変化があり、そのままでは直接のアップデートが困難だと判明した。具体的には
2013年4月8日以降配布されている W32TeX では、それ以前の share/texmf なるディレクトリ名が share/texmf-dist に変更された
という点だ。「TeX Live 2013 で、texmf と texmf-dist が texmf-dist に統一されるため、できるだけ近い状態にするため」と説明されている。*1他にも dvipdfm(x) や dvips 用の map ファイルの名称が変更されているような気もしたので、新規インストールという方針に転換。
とりあえず、既存の w32tex というフォルダ名を w32tex-old と変更し*2、「TeXインストーラ3」の最新版(0.84r6)を使って W32TeX を通常通りインストールした。
フォントのセットアップ
ついでに日本語フォントとかもセットアップしようと思ったので、Adobe Reader に付属している小塚フォントや中国語・韓国語用フォントを TeX に認識させてみることにした(OTF - TeX Wiki参照;無償でもこれだけは PDF プレビュー用に添付されている)。目標は Welcome to Adobe GoLive 6 にある otftest.tex を platex と dvipdfmx で PDF に出力することだ*3。
注意:もちろん、W32TeX は Windows システムにインストールされたフォントを認識できるので、小塚をシステムにインストールしておけばよいのだが(例えばマクロツイーター参照)、.otf 形式なので Word 2010 等では使いづらいからシステムインストールまではしたくない。それで、今回の記事のような方法を検討した。
(続く)
*1:たぶんもっと早く更新していれば TeX Wiki とか W32TeX 配布元とかに変更履歴などの記事が載っていたのだろうが、何しろ1年以上経っているので削除されていた。この情報については例えばUSBメモリ活用講座【実践編・W32TeXポータブル化】などを参照した。
*2:仮に最新版のインストールに失敗してもすぐに復旧できるように。ただし、dviout というフォルダの中身は全く同じものとなるため削除。
*3:いずれは他のフリーフォントにするつもりだが、日中韓言語処理をすぐに行うための応急処置としては Adobe フォントが手っ取り早いと思う。