Tips: フォントの管理について
表題と関係ないが、最近「素数」というキーワードが2回も話題になった。
NHK NEWS WEB スコットランド独立住民投票 開票結果 http://t.co/NUdr0q8SL4 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!独立賛成票1617989は素数!!
— とりとく (@tkbei) 2014, 9月 19
独立反対多数でスコットランドの独立は現実のものとはならず、Unicodeがグリフを修正するのかしないのかという心配はひとまず必要なくなった。
スコットランドが独立したら,🇬🇧(U+1F1EC U+1F1E7)の絵文字デザインも変わるのだろうか。
— Yusuke Terada (@doraTeX) 2014, 9月 15
スコットランド独立はこのまま反対派が押し切る流れか。🇬🇧の絵文字デザインは変えなくてよさそう。
— Yusuke Terada (@doraTeX) 2014, 9月 19
もう一つはそれに比べると小さな話題だが、最近「素数大富豪」というものが考案されたらしい。
[拡散希望] カードで素数を作って競い合おう!新トランプゲーム「素数大富豪」のルールを公開しました!下記URLからダウンロード出来ます(PC推奨) https://t.co/kSY0Ph2vQT pic.twitter.com/v0d1pzRRNg
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2014, 9月 19
で、配布されているPDFを開いてみた。おお、なかなか面白そうじゃないか、と思ったと同時に、あれ? せっかくUnicodeでU+1F0A0で始まる領域に Playing Cards というグリフ集合があるのに、このTeX組版では使っていない! と思ってちょっとがっかりした(笑)
わざわざ枠で囲んだ縦組みで数字とマークを組み合わせてカードとしているけれど、Symbolaならもっと美しいカードのグリフがあるし、Quiviraとか和田研細丸ゴシック2004絵文字にもこの領域のグリフあるのになあ…
でもPDF変換が2014年9月19日でありながらdvipdfmx(20051229(cvs))になっているのである意味貴重かもしれない(当時はTeXエンジンやパッケージもUnicode対応していなかっただろうと推測する)。
と、素数の話題から無理矢理フォントの話に持って行った(汗)
先日このブログで
「TeXでゆきだるま」をもっとたくさん (2014-09-05)
という記事を書いた。このとき
…ブラウザ上でシステムにインストールされたフォントを一覧表示…
という表現を用いていたが、実はそれほど正確ではない。現にこの記事を書くために、もともとシステムにインストールされていたフォントを含めて実に2,000以上のフォントを一括検証しており、これをすべてインストールするとなると数GiBになってしまうだけでなく、Microsoft Wordやその他のソフトウェアで表示されるフォント一覧が膨大になって使いづらくなってしまう。
こういう時に使うのが、フォント管理ソフトウェアである。
Macの場合はFont Bookでインストールはせずに管理する機能が備わっているが、Windowsの場合はそうはいかないので、僕は以下のようなフリーソフトを使用している:
インターフェースとしてはNexusFontが優れている。Macライクなデザインで、日本語にも対応。長文をプレビューすることもでき、目的のデザインに適するフォントを選びたいときに便利。
フォントインストーラー SAKURAは、インターフェースのデザインが昔のWindowsを思い起こさせる。機能ごとに別のウィンドウを開く仕様。
インターフェースが少々使いづらいし見づらいが、フォントインストーラー SAKURAの方にはいくつかの優れた機能がある。
で、こうしたフォント管理ソフトを使って「一時インストール」すると、システムのFontフォルダ以外に保存してあるフォントファイルもWordなどのソフトから使用できる。
「一時インストール」を解除すると、もちろん表示は消える。
もちろんこの方法ではフォントの管理が通用しないソフトも存在する。有名なのはPhotoshopの代わりによく用いられるオープンソースのGIMPである。
GIMP - The GNU Image Manipulation Program
これに関する有効な対処法はGIMP質問掲示板を見る限り特に報告されていないようだ。しかし、OfficeやInkscapeといったソフトでは有効のようであり、大量のフォントを持っている場合には検討してはどうだろうか。
補足:スクリーンショットを見ればわかるように、僕は C:\Library\Font というディレクトリを作って管理している。TeXでこれらのフォントを利用したい場合は、以下の過去記事と同様にシンボリックを作成すれば十分である。
注意:ただし、NexusFontで拡張子.ttcのファイルを「一時インストール」すると、解除したはずなのになぜかWord等で表示されたままとなり、使用できてしまう(最新のver. 2.5.8.1582でも確認)*1。
追記:2014-11-14
「素数大富豪」のルールにまで名を遺したグロタンディーク氏が亡くなったらしい。
朝、グロタンディークが亡くなったという話をツイッターで見て、でも関連ニュースが見つからなくて、やっとフランス語の記事を見つけた。 http://t.co/3jiGY8nRgq 数学者として偉大な功績を残した人なのになぜこんなに扱いが小さいのか。納得いかない。 RIP
— 加藤公一(はむかずa.k.a.はむはむ) (@hamukazu) 2014, 11月 14
偉大な数学者であったことはまちがいない*2。